指折りの行きにくいダムに行く
田代ダムという南アルプスの麓、大井川水系のダムがある。
一般車の通行を規制しているゲートから、未舗装林道を30kmのぼったところにある。自転車または徒歩でないといけないそのダムはダムカードをくれるのだ。
往復60km。ダムマニアの人たちは苦労して自転車で行っているらしいが、
ダムを愛しシクロクロスを嗜む我々こそ行くべきダムなのではない
ダム部メンバーはシクロクロスのレースにも来なくなってきた。計画していた夏合宿も台風で中止になり、このままではダム部存続が危うい。やる気を少し出すためのちょっとした目標として、行こうということになった。
未舗装ではあるが、標高差でいうと400m程度。4、
大阪を朝でて昼ごろゲートに到着してから自転車乗ろうと思ってたけど、9時間かかるなら、早朝スタートしなければ暗くなってしまう。
しかし、スタート地点は高速で静岡の島田あたりまでいき、そこからさらに2時間半ぐらいグネグネの山道をいかなければならない。集合時間を早めて、あさ3時半に出発。チーム員を拾いつつ車で向かい、グネグネの山道を運転が上手なヤスダムに代わってもらい、10時過ぎに到着。
スマホはとっくにつながらず、食べ物・飲み物が手に入る場所も全くない。車が規制されているということは、メカトラがあっても、ヘイタクシー!というわけにはいかない。大きなサドルバックにチューブを2本、タイヤを1本、おにぎり5個、各種工具やメンテグッズを入れ、少し、いやかなり緊張して準備。
しかし、ほかのメンバーもあたりまえのようにシクロクロス車にクマ鈴つけてるところがさすがだなと思った。
ゲートからしばらくは舗装路だったが、数100mでダート突入。舗装路では鳴らなかった4人分のクマ鈴がジャランジャランとけたたましく鳴った。そこからはほとんどフルダート。
よく手入れされた林道という感じだったが、砂利とところどころ陥没し大きな穴がある。自然の中をニコニコおしゃべりしながらサイクリングというつもりでいたが、穴や石にタイヤを取られないようにラインを探すのに必死でしゃべる余裕は全くなかった。穴を避けるラインどりをしながら、昔のテレビゲーム「けっきょく南極大冒険」を思い出していた。
道が悪いのは落石・崩落が多いからだ。落ちてくる石に注意といわれても、どう注意していいかわからない。荒れた道ではヤスダムは先行。特に下りのラインどりは安心感がある。生き生きしているように見えた。
ところどころにある吊り橋で、じゅんちゃんとうみこちゃんでキャッキャしてみる。高いところが苦手なヤスダムは全く寄り付いてくれない。
だいたい中間地点ぐらいの赤石ダムでおにぎり休憩。赤石ダムは放流していた。走り始めて1時間ちょい。12:10再スタート。
暗いトンネルがあるので、行く人はライトを持って行った方がよいです。ダム付近からトンネルあたりまでは舗装されています。
トンネルを抜けるとダム湖が広がります。チンダル現象の青いきれいな湖です。チンダル現象という言葉を高校以来ぶりに言いました。
椹島ロッジの手前に牛首峠というところがあったそうですが、ほかにもしんどいところがたくさんあったので、気づきませんでした。椹島ロッジ付近だけスマホが入りました。
ダムではなく堰堤。それでも気はまぎれるもの。
堰堤をすぎしばらくしたところでウイスキー蒸留所を建設していた。
ダム見たさで過酷なオフロードを走っているが、何年かあとには舗装されてダム行き放題になるかもしれない。そうなってから来ればよかったのではないのか。
そこからが結構長かった。単調な登りは逆につらい。
やっと到着。3時間で到着できたので、なかなか優秀なのではないか。
写真はダムではなく放流設備。ダムは工事関係者しか入っちゃダメとのことだったので、遠巻きに見学。
後から、宿の人に湖の色が美しかったでしょうと言われたけど、ダム関連の設備しか見ていない。
美しいダム湖はオフィシャルなどの写真をご覧ください
https://twitter.com/mlit_nagashima/status/878047162977796096
ダムの近くに二軒小屋という山小屋がある。本来ここでダムカードをくれることになっていて、ここで泊まるなら送迎バスもあるが、リニアの工事で今年は宿泊できない。
周辺にプレハブもたっていたが、だれもいなかった。
ダムをながめ、おにぎり休憩して
14:10再スタート
14:50 椹島ロッジ
行きはテンションが高く気づいてなかったけど、赤石ダムのあと意外と帰りものぼりが多いし、道がぼこぼこ穴が開いているので、下りだと余計にラインどりが難しい。
疲弊しているので穴にはまり、クマ鈴をガシャンガシャン言わせながら下った。ろいろ装備したグッズは使うことなく、ノートラブルだったのが、とてもラッキー。
16:00 畑薙橋
ゴールが見えてきた。ヤスダムが「これは40代ですることではない」と言い放った。「えぇっ!」と言いつつ
16:15ゴール。帰りも結構のぼりがあったので2時間ぐらいかかりました。
往復5時間。時間的には思ったより早かったですが、疲労度的には思った以上でした。
そこから一番近い宿泊施設「白樺荘」へ。温泉もあり、宿の方も良くしてくださいましたが、疲労は回復しきらず、帰りはまっすぐ帰ってきました。
チームのみなさん大変おつかれさまでした。「もう行きたくない」と言われましたが、40代に見合った挑戦をしていきたい。
これが難易度高いダムカードだ!